鉄道ギルス 第2話2
次の日、
シルバーデューク号が迎えに来た。
その姿を見てビュッケは感激して叫んだ。
「わ〜っ!すげー!
これがシルバー・デューク号?写真で見るより全然かっこいい!」
「オッホン」
咳払いが聞こえた。
「おまえさんが、ビュッケバロンじゃな。わしは・・」
「シルバーデュークのじっちゃん、だね。よろしく」
「じ・・?今なんと言ったかの?」
ビュッケはニヤリと笑うと
「じっちゃん、だよ!お爺ちゃん機関車だから。気に入らないかい?」
楽しそうに言った。
「そういう意味じゃないが・・」
「じゃ、じっちゃんでいいよね!さ、中央市につれてってくれるんだろ?
はやく行こうぜ!はやく〜」
「やれやれ、随分と落ち着きの無いやつじゃな。」
シルバーデュークがため息をつくと、機関室から笑う声が聞こえた。
「はは、元気があっていいじゃないか。若い証拠だよ。」
「お前さんの若い頃にそっくりじゃ」
「そりゃ、ほめてるのかい?」
機関士はニヤリとわらった。
「どういう耳をしとるんだ」
「ま、あの機関車とは仲良くやれそうだな。よかったよかった」
「さ、行くぞ!」
機関車は早く走り出そうとした。
都合が悪かったらしい。
「残念でした。出発時間まであと30分もある」
機関士は懐中時計を指差してそういった。
「・・・」
「それにしても、ホントにまっくろなんだね?」
荷台に乗せられた小さな機関車が、楽しそうに言った。
ビュッケは整備士たちからシルバーデューク号の話をたくさん聞いていた。
もちろん、その名前の由来や誕生秘話なども・・
「やれやれ、そんなことまで聞いとるのか。まったく最近の作業員たちは・・」
「べつに気にすることじゃないだろ?」
機関士が囁いた。
「その公爵もさー、金と銀の機関車を作ろうなんて発想が安易だよな。
そうとう機関車が好きだったんだろうけどさ・・
途中でお金が足りなくなったなんて、ちょっと情けない話じゃない?」
カプリコーン(山羊座)駅を通過した。
南アルプスのような壮大な山脈が見える。
「そういえば、わたしも気になるな」
機関士が聞く。
「何がだね?」
「もう一台のゴールドデュークだよ。今どうしてるのかなって」
「さあな。」
機関車はそっけなく答えた。
「そんなことを聞いてどうするんじゃ」
機関士は標識に向かって指差しをした。
「今、ビュッケが完成して、ミリセント号が完成するだろ。
この二台って同じ鉄を分けて部品を作ってるんだろ?
きょうだいみたいなもんじゃないか。
それって、人間の兄弟姉妹とどう違うのかなぁと思ったんだよ。」
機関車は退屈になってきた。
「わしとゴールドのやつは兄弟といった意識はまったくなかったな」
「話したことはなかったのかい?」
「やつが完成して、わしは半年ぐらい時期が開いたからな。
その間にあいつは・・」
「おーうい、なにこそこそ話してるんだよ?」
ビュッケはずっと話しかけていたらしい。
「無視しないでよー?機関士とばっかり話しててさぁ、
さびしいじゃないかー」
「お前さんはおしゃべりがすきじゃな。」
「だって引っ張られてるだけじゃ暇だし」
「景色を見てみたらどうだい?」
シルバー・デューク号の機関士が言った。
「みてるよー。今向かってるのがライブラ駅だろ。一年中裁判ばっかやってる
ジャッジメント・シティのある駅だ。ほら、あの一家は夫が不倫して、慰謝料を請求できるかって裁判をしようとしてるところさ。
全体的になんだか殺気立った感じがするね。緑も少ないし」
「おやおや、よく知ってるんだね?」
機関士は感心した。
「あんた誰?」
ビュッケはこの声の主の名前を知らなかった。
「わたしかい?シルバーデューク号の専属機関士、ジョセフ・ウィルロードさ」
「ふぅん」
ビュッケは、直感的に、なんとなくいい感じのする人だと思った。
「略すとジョーって感じ?」
「あはは。そうだね。」
「なあ、ジョー。この次の・・スコーピオ(さそり座)駅には、何があるの?」
「え?」
ジョセフは、はっとした。
「作業員たち、他の駅の話はしてくれたんだけどさ、この駅のことだけはあまり話したがらないんだよね・・」
「・・・」
ジョセフは、信号を確認すると、そのままスピードを上げた。
シルバーデュークは面白くなさそうだった。
「ふん、やつは礼儀というものがなっておらんな」
ジョセフは、ふてくされている機関車の様子に噴き出してしまった。
「・・君もジョーって呼べばいいんだよ?」
「わしはそんなはしたない呼び方は、せんぞ。」
「まあ、そうだろうけどね。・・ビュッケ、聞こえるかい?」
「なにー?」
後ろの荷台から声が聞こえてきた。
「今から入るエリアが、さそり座駅の圏内だよ」
ビュッケは、わくわくしてきた。
次の日、
シルバーデューク号が迎えに来た。
その姿を見てビュッケは感激して叫んだ。
「わ〜っ!すげー!
これがシルバー・デューク号?写真で見るより全然かっこいい!」
「オッホン」
咳払いが聞こえた。
「おまえさんが、ビュッケバロンじゃな。わしは・・」
「シルバーデュークのじっちゃん、だね。よろしく」
「じ・・?今なんと言ったかの?」
ビュッケはニヤリと笑うと
「じっちゃん、だよ!お爺ちゃん機関車だから。気に入らないかい?」
楽しそうに言った。
「そういう意味じゃないが・・」
「じゃ、じっちゃんでいいよね!さ、中央市につれてってくれるんだろ?
はやく行こうぜ!はやく〜」
「やれやれ、随分と落ち着きの無いやつじゃな。」
シルバーデュークがため息をつくと、機関室から笑う声が聞こえた。
「はは、元気があっていいじゃないか。若い証拠だよ。」
「お前さんの若い頃にそっくりじゃ」
「そりゃ、ほめてるのかい?」
機関士はニヤリとわらった。
「どういう耳をしとるんだ」
「ま、あの機関車とは仲良くやれそうだな。よかったよかった」
「さ、行くぞ!」
機関車は早く走り出そうとした。
都合が悪かったらしい。
「残念でした。出発時間まであと30分もある」
機関士は懐中時計を指差してそういった。
「・・・」
「それにしても、ホントにまっくろなんだね?」
荷台に乗せられた小さな機関車が、楽しそうに言った。
ビュッケは整備士たちからシルバーデューク号の話をたくさん聞いていた。
もちろん、その名前の由来や誕生秘話なども・・
「やれやれ、そんなことまで聞いとるのか。まったく最近の作業員たちは・・」
「べつに気にすることじゃないだろ?」
機関士が囁いた。
「その公爵もさー、金と銀の機関車を作ろうなんて発想が安易だよな。
そうとう機関車が好きだったんだろうけどさ・・
途中でお金が足りなくなったなんて、ちょっと情けない話じゃない?」
カプリコーン(山羊座)駅を通過した。
南アルプスのような壮大な山脈が見える。
「そういえば、わたしも気になるな」
機関士が聞く。
「何がだね?」
「もう一台のゴールドデュークだよ。今どうしてるのかなって」
「さあな。」
機関車はそっけなく答えた。
「そんなことを聞いてどうするんじゃ」
機関士は標識に向かって指差しをした。
「今、ビュッケが完成して、ミリセント号が完成するだろ。
この二台って同じ鉄を分けて部品を作ってるんだろ?
きょうだいみたいなもんじゃないか。
それって、人間の兄弟姉妹とどう違うのかなぁと思ったんだよ。」
機関車は退屈になってきた。
「わしとゴールドのやつは兄弟といった意識はまったくなかったな」
「話したことはなかったのかい?」
「やつが完成して、わしは半年ぐらい時期が開いたからな。
その間にあいつは・・」
「おーうい、なにこそこそ話してるんだよ?」
ビュッケはずっと話しかけていたらしい。
「無視しないでよー?機関士とばっかり話しててさぁ、
さびしいじゃないかー」
「お前さんはおしゃべりがすきじゃな。」
「だって引っ張られてるだけじゃ暇だし」
「景色を見てみたらどうだい?」
シルバー・デューク号の機関士が言った。
「みてるよー。今向かってるのがライブラ駅だろ。一年中裁判ばっかやってる
ジャッジメント・シティのある駅だ。ほら、あの一家は夫が不倫して、慰謝料を請求できるかって裁判をしようとしてるところさ。
全体的になんだか殺気立った感じがするね。緑も少ないし」
「おやおや、よく知ってるんだね?」
機関士は感心した。
「あんた誰?」
ビュッケはこの声の主の名前を知らなかった。
「わたしかい?シルバーデューク号の専属機関士、ジョセフ・ウィルロードさ」
「ふぅん」
ビュッケは、直感的に、なんとなくいい感じのする人だと思った。
「略すとジョーって感じ?」
「あはは。そうだね。」
「なあ、ジョー。この次の・・スコーピオ(さそり座)駅には、何があるの?」
「え?」
ジョセフは、はっとした。
「作業員たち、他の駅の話はしてくれたんだけどさ、この駅のことだけはあまり話したがらないんだよね・・」
「・・・」
ジョセフは、信号を確認すると、そのままスピードを上げた。
シルバーデュークは面白くなさそうだった。
「ふん、やつは礼儀というものがなっておらんな」
ジョセフは、ふてくされている機関車の様子に噴き出してしまった。
「・・君もジョーって呼べばいいんだよ?」
「わしはそんなはしたない呼び方は、せんぞ。」
「まあ、そうだろうけどね。・・ビュッケ、聞こえるかい?」
「なにー?」
後ろの荷台から声が聞こえてきた。
「今から入るエリアが、さそり座駅の圏内だよ」
ビュッケは、わくわくしてきた。